「氣の鏡・祈-5」
和紙に色鉛筆 182.5×61.5 cm 1995
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岡田真宏展
会期/1996年5月3日(金)〜6月2日(日)
10am〜6:30pm/月曜休廊
会場/あーとらんど ギャラリー
1 F 絵画ギャラリー
■オープニングパーティ
5月3日�E 6〜7:30pmに作家を囲んでささやかなオープニングパーティを行いますので、お気軽にご出席下さい。
岡田真宏は、1948年に香川県で生まれ、現在東京を拠点に活動しています。
墨にも7色有るという。墨は水と和紙に交わり濃淡と滲みに変化する。これは人間の手が創ると同時に自然の法則にも支配される‥アナログの世界だ。今展で紹介する岡田さんの新作はこの墨の世界を連想させるが、実は色鉛筆のストロークによるデジタルの絵画である。しかも、ただの黒い平面絵画ではない。
19世紀後半印象派の父といわれるマネは「オランピア」の絵で背景を黒くして奥行き消す革新的な仕事をした。岡田さんはそれとは全く逆に、黒の背後に無限に続く空間を創造している。見る人があたかも絵画空間の外側にいるという‥‥これまでになかった絵画空間ではないだろうか、このような見方も可能だろう。
今展では、'95年に始まる黒色が主役となった色鉛筆の作品約30点を紹介します。
作品の地図
1972 絵の具を擦る仕事(シルクスクリーン制作)
12色混合した油絵の具でシルク制作し、乾燥前に絵の具を擦る
(自分のバイ オリズムのゆらぎ)
1979 鉛筆で描く仕事= 和紙+鉛筆
鉛筆のストローク(反復)で形を描く(ゆらぎの記録)
●素材は自分を開く対象(受信体)で自分を開くことでより
大きなものと繋がる
作品の題名=「Being」(過去・現在・未来、存在していること)
1987 和紙を割く仕事=和紙・韓紙+鉄粉
鉄粉を樹脂に溶いて和紙・韓紙に描いて腐蝕させた後、
紙を揉みほぐして 多数の細片にて張り重ねる
(鉄の錆は、自然に感応して四季折々の色を現す)
●同じような細片に割くが同じにならない
(個々の差異・個の大切さによって全体を構成)
作品の題名=「風土」「ニライ・カナイ」
1990 金属粉のドローイング=和紙・韓紙+鉄粉
太筆のストロークで樹脂に溶いた鉄粉を用いて和紙・韓紙に描く
●自然の中で感知できたエネルギーを筆跡で表現する
作品の題名「氣の鏡」('88〜)(鏡は作家自身の姿を映す)
1991 金属粉のドローイング=和紙・韓紙+鉄粉+自然石掌による
厚塗りの方法で、樹脂に溶いた鉄粉を用いて和紙・韓紙に描く
1992 金属粉のドローイング=和紙+鉄粉+ブロンズパウダー
鉄粉の背景としてブロンズの金色およびその変化(緑青)
を表現に取り込む
1993 金属粉のドロッピング=和紙+鉄粉+ブロンズパウダー
(ドロッピングはブロンズが最初)
金属粉が手を離れたところから紙の上に落ちるまで自然任せ
(自然の方から見れば必然)のドロッピングを開始する
1994 金属粉のドロッピング=和紙+鉄粉+ブロンズパウダー
ブロンズパウダーを背景として鉄粉のロッピングを開始
1995 色鉛筆のドロイング=和紙+色鉛筆
背景は7色(赤/橙/黄/黄緑/緑/青/紫)
上面は黒色の色鉛筆のストローク(反復)で覆う
(ゆらぎの記録)
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