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関 正和 作品制作

静物画‥‥‥創作の普遍性を追って
 
関氏が長年のテーマとしている油絵は、静物画の大作である。描かれた静物は相当デフォルメされているので、何が描いてあるかは理解しがたい。でも描いた本人は何を描いているかなど問題にしていない。得体の知れない物体ごときものが今にも動きだそうとしていたり、家具のごとく見える物がドーンと目の前に出現したりと、静物が勝手にものを言う。見る方はただひたすら描き手の残した静物とつきあうことになる。このような静物画に創作の自由を見つけたのがこの作家の資質である。


 では絵の本質について、師と仰いだ故 井上長三郎氏に訪ねてみよう。「関君は、巴里でピカソの大展覧会を見たが、何故かその中のセザンヌの作品二点について感動的に語り、ピカソの作品については触れることがなかった‥‥。」これは井上氏が関氏の個展案内(九二年香川県文化会館)に寄せた文章の一節である。ピカソの大展覧会でピカソよりキュビズムの生みの親であるセザンヌの作品に感動を覚えたということは、関氏がセザンヌの絵に何か特別な思いを抱いているからに他ならないでしょう。それは一体何か。七五年八月、関氏自身がつづった文章‥‥画家の対話「藤沢 匠君のこと」(「美術グラフ」)の中にその答えが見出せます。

同郷の画友だった故 藤沢氏の画業について語った内容ですが、それは同時に氏の画業に対する思想や哲学が反映されているのが判ります。「造形的な要素以外の余分なものの分量が少ない」、「確実にレアリテを把んでいる作品」、「より知的に、より合理的にやれないものか」、「普遍性をもったオリジンを把む」など、セザンヌに起因する考え方が見えてくるようです。このような関氏の画業を井上氏は次のように評価しています。「実在に徹した重厚な造形が繰り広げられ、ときに幻視的で自由な表現は既往の静物画の概念を拒否する。」厳格な師からこのような余りある評価を受けながらも決して高ぶらず、鈍に徹して自ら発見した静物画の創作の自由の中に、その普遍性を追ってゆく姿は絵の力として自ずから浮かび上がってくるのではないでしょうか。




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