綿引明浩 展
ー イストリアの森から ー
会期/2011年6月4日(土)〜26日(日)
10:00am〜6:30pm 休廊:火曜(予約営業)、水曜
会場/あーとらんど ギャラリー
出品/新作を中心にクリアグラフ作品‥‥ 50〜60点
あーとらんどギャラリーでは、アニメーションのセル画をヒントにしたオリジナル技法のクリアグラフで知られている綿引明浩の展覧会を開催いたします。今展は2009年に続く2回目の個展です。
綿引は1960年に茨城県で生まれ、1984年に東京芸術大学美術学部を卒業後、同大学美術学部大学院に在学中から個展活動を開始し、現在は東京を拠点に独自に命名したクリアグラフの他に、版画やアクリル画などの制作活動を続けています。
綿引のクリアグラフは、透明なアクリル板にキャンバスなどの下地用の色のついた調整材であるカラージェッソで絵を描く技法です。背景画とキャラクターを描いたセル画を重ねるアニメーションから発想して、セルをアクリルに置き換えて2枚以上の重ね合わせることで立体的な絵を実現しています。作家としてのキャリアを銅版画から始めた彼にとっては、何枚もの版を重ねる版画の技法を立体的に敷衍した方法でもあり、作品制作の一貫性を保っているともいえます。
彼の展開するイメージの世界は、クリアグラフの技法が生み出す透明感や立体感に即した「空想舞台のキャスト」(作家の文章参照)が活躍する明るく楽しい世界です。画面の奥に鏡の世界のような「ひろがり」を産みだし、「見る行為」がそのまま「体験」に繋がっていくような錯覚を引き起こす綿引の世界。どのようにして生み出されてくるのか、作家自らの言葉で解説していただきました。
「空想舞台のキャスト」 (文:綿引明浩)
僕が作品を制作する時に欠かせないもの、それは子どもの頃のいたずら描きや、記憶の断片を閉じ込めたスクラップ帳です。このA3サイズの大きなスクラップ帳、今ではもう25册になりました。ここには、何十年にも渡る僕のアイディアが詰まっています。そして実際の作品で、この中から生まれた不思議な人物が沢山登場します。僕は彼らをキャストと呼び、まるで舞台で演じる俳優の様に、場面ごとに配役します。のっぺらぼうの彼らは、見る人によって、どんな人物にもなる事が出来ます。この空想舞台の住人たちは、とても自由に演じ続けていきます。
いま日本は未曾有の大震災で苦しんでる人がいます。僕はアートが持つ不思議な力を信じています。作品は見る人の心に寄り添い、癒し、そして想像力をかき立てます。今までと同様これからも、僕はこうした力を試していきたいと思っています。
今回の展覧会では、綿引さんオリジナルの技法クリアグラフ作品を50ー60点出品致します。摩訶不思議な世界が楽しめる綿引ワールドを是非お楽しみいただきますようご案内申し上げます。
また、下記のように「クリアグラフをつくろうシリーズ.2」として、今回はハガキサイズの2枚のアクリル板を使って、奥行きがより立体的に見える作品に挑戦できるワークショップを予定しております。勿論、初めての方にも十分楽しんでいただけますので、多くの方のご参加をお待ち申し上げております。
敬具
■ 〈ワークショップ〉「クリアグラフをつくろう シリーズ.2」
綿引さんオリジナルの技法で、はガキサイズの2枚のアクリル板を使う、前回とは一味ちがうワークショップ!初めての方にも十分お楽しみいただけますので、お気軽にご参加ください。きっと楽しい作品をお持ち帰りいただけますよ!
日 時 : 5月17日(日) 午後 2:00 〜
講 師 : 綿引明浩
参加費用: 2,000円(材料代含む)
会場及び: あーとらんどギャラリー TEL 24-0927
(文責:山下高志)
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