営業時間:午前10:00 〜午後6:30
火(予約営業)・休廊:水曜


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亀井洋一郎 展 「Ceramics Drawing」   プレスリリース(2011)



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■ 亀井洋一郎(かめいよういちろう) 略歴

 1974 香川県に生まれる
 2001 第39回朝日陶芸展 グランプリ受賞
 2004 第1回台湾国際陶芸ビエンナーレ
     優秀賞受賞(台湾)
 2006 京都市立芸術大学大学院 博士(後期)課程修了
     博士号(美術)取得
 2007 collection�T 立体をめぐる4つの部屋
    (高松市美術館)
 2008 常設展 世界の現代陶芸(愛知県陶磁資料館)
 2009 第5回京畿道世界陶磁ビエンナーレ(韓国)
     第56回ファエンツァ国際陶芸展(イタリア)
 2010 平成21年度京都市芸術新人賞受賞
     平成21年度香川県文化芸術新人賞受賞

 パブリックコレクション
  世界のタイル博物館/京都銀行/台北縣立鶯歌陶磁
  博物館/ 高松市美術館

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        亀井洋一郎 展 「Ceramics Drawing」
         
    会期/2011年1月8日(土)〜1月30日(日)
       10:00am〜6:30pm 休廊:火曜(予約営業)、水曜
    会場/あーとらんど ギャラリー 
    出品/セラミック顔料やアルミナ紙などの陶磁器材料に
       よって描かれたイメージを、板状の硝子で挟み込
       むように熱融着させた新作ドローイング約40点を
       中心に展示致します。

 あーとらんどギャラリーでは、磁器で制作した格子構造体の一連の作品で知られる 亀井洋一郎の個展を開催致します。今展は「やきもの」による造形の新たな展開を示 すセラミックス ドローイングの出品になります。亀井は1974年に香川県に生まれ、2010年8月から7人の作家が入居する共同スタジオ「淀」(京都市)を拠点に新たな 制作活動を展開しています。

 亀井のこれまでの仕事を要約すると、「やきもの」の技法に内在している造形の新 たな固有性と可能性を、作品制作を通じて思索し導き出すことでした。
 彼は大学時代にやきものに出会い、前衛陶芸の先駆者から直接教えを受け、やきも のによる新たな造形システムの模索を開始。様々な表現技法が展開されてきたやきも のの歴史を振り返る思索の中から、彼が造形上の発想の起点として導き出したのは、 「やきもの」と「うつわ(器)」の関係性でした。やきものには焼成という要件があ るので、素材の量塊性には制限があり、内部に空洞を持つ形や薄い板状が必要になる。 このような器の中空性が、基本的な構造としてやきものによる造形の根底にあるとい う視点から自らの制作技法を見直し、新たな構造体の造形システムを導き出して行き ます。

 亀井が最初に開発した造形システムは、精緻な造形性を備えた透光性のある磁器を 素材に、乾燥や焼成に伴う収縮や変形を考慮して泥將鋳込み技法を採用し、各6面が 刳り貫かれた中空の立方体(格子)を単位として数百個集積した格子構造体でした。 単位の格子自身が器であり、全体も格子状に区切られた内部空間を備えた器であるこ の構造体が、やきものの形態の本質を感じさせるのは、「やきもの」と「うつわ(器)」 の関係性から導き出した新たな表現の可能性を展開しているからに他なりません。
 2008年の亀井洋一郎展に出品された格子構造体(ラティス レセプタクル シリーズ)は、差し込む光りによって内部空間に生じる陰影のグラデーションを表現の主役とし た光の受容器でした。この受容器では、単位格子の壁面の一部を刳り貫かず残す方法 によって光を表現主体に昇華し、壁面を持つ格子の内部配列から自ずと形作られる外 部の形態を採用している。光の存在を内部空間の構造が表現するこの錐体のスクリー ンは、亀井が到達した「やきもの」と「うつわ(器)」の関係性から導き出したもう 一つの可能性を示しています。

 今展に出品されるセラミクス ドローイングは、このようなやきものによる造形の固 有性と可能性の新たな次元の展開です。一見して絵画のような外観ですが、素材は ガラス、アルミナ紙、撥水材、そしてセラミック顔料を使って焼成されたやきもので す。亀井の造形システムの詳細は以下の本人による解説をご覧いただくとして、「光 の受容器」から「セラミクス ドローイング」に展開したドラマティックなシーンがど のようにして可能になったのか、見えない意図を探るように鑑賞するのも、今回の個 展のもう一つの意義といえるでしょう。

   「Ceramics Drawing(セラミックス ドローイング)」
        (文章:亀井洋一郎)

 今回のあーとらんどギャラリーでの個展は「Ceramics Drawing(セラミックス ド ローイング)」をタイトルに、陶磁器材料と板硝子を使用した作品を発表致します。
 「Ceramics Drawing」は紙状の耐熱素材であるアルミナ紙に、セラミック顔料 (陶磁器用耐熱着色剤)や陶磁器用撥水剤によって描かれたドローイングイメージを、 板硝子で両面から挟み込むようにセッティングした後、740℃以上で高温焼成させた 平面作品のシリーズです。これらはやきもの表現の新しい形式への試みとして制作さ れています。
 画面に描画されたイメージは使用材料の「滲み」と「撥水」の効果から成る偶然的 な変化を利用し、自らが設定したシステムに則って描かれています。刹那的に形づく られていく画面上のイメージは、焼成工程における板硝子の熱融着によって表面をコ ーティングされ、永続的な状態で作品内部に保存されます。
 私は本作において高温度の熱処理で際立つ「変化するもの」「変化しないもの」、 「残るもの」「残らないもの」といった陶磁器材料の物質的特徴を、ドローイング画 面を構成する要素として扱うことで、それらの持つ色彩や変容を簡潔に表面化させた いと考えました。こうした平面性への意識は、やきものを成立させている基本構造を 従来の技術体系とは異なった視点から探るものといえます。
 本展では、20色の相似形からなる連作を中心に、焼成による変容を取り込んだ実験 的な作品など約40点を展示予定にしております。ご高覧頂ければ、幸いに存じます。
                              敬具

〈ワークショップ〉やきもの材料を使ってドローイング!
 ■ 日 時 : 1月9日(日) 午後2時 ? 
 ■ 会 場 : あーとらんど ギャラリー TEL 0877-24-0927
 ■ 参加費用 : 2,000円(材料代含む)
  やきもの用の撥水剤を使った亀井さんのオリジナル技法で、
  ワクワク楽しみながらのドローイングを体験!! 事前に会場
  までお申し込み下さい。

                       (文責:山下高志)

 



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