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企画展 >妻鳥 健


妻鳥 健 展   プレスリリース(2009)

  


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妻鳥 健(めんどり たけし)略歴

1949 香川県に生まれる
1978 山本卓子先生(高知市)に師事する
1979 福王寺法林先生に師事する
1981 春の院展
   (以後 '85,'87,'88.'89,'94,'95,'97,'98,'99.'00,'01,'06.)
    院展('90,'94,」
1983 香川の現代作家美術展
   (以後 '84,'85,'95,'96,'97,'99,'02,'03,'04,'07,'08)
1986 郷土作家選抜美術展
1988 二人展=妻鳥健、土居恒夫(土電西武 高知)
1989 日本画6人展(gGallery.pPann 高知)   
1994 青林会展(松坂屋 銀座)
   (以後 '95,'96'97,'98,'99,'00,'01,'02,'03
                  '04,'05,'06,'07,'08,'09)
1995 二人展=妻鳥健・三上栄治(灸まん美術館 香川)
1997 個展 (あーとらんどギャラリー 香川) 
1998 武蔵野会展(高島屋 日本橋)
    (以後 '99,'00,'01,'02,'03,'04,'05,'06,'07,)
2001 瑠璃色会展(松屋 銀座)
   (以後 '02,'03,'04,'05,'06,'07,'09)
2003 院展受賞作家新作展(松坂屋 銀座)
2005 かがわ・具象・今展
   (あーとらんどギャラリー 香川)
    香川県日本画家小品展(宮脇画廊 香川)
2008 三人展/大坪由明・坂元洋介・妻鳥健
   (高島屋 岡山)
    個展(祇園画廊 岡山) 

現在 日本美術院 院友 
   涛林会々員

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           妻鳥 健 展
         
    会期/2009年 9月20日(日)〜 10月4日(日)
       11:00am〜7:00pm 休廊:9/23(水)、9/30(水)
    会場/あーとらんど ギャラリー 
    出品:日本画‥‥ 約20点

 あーとらんど ギャラリーでは、妻鳥 健さんの日本画の展覧会を開催致しま
す。妻鳥さんは1949年に香川県に生まれ、現在故郷を拠点に活動されています。

 近年「仏教」を主要なテーマとして制作を続けている妻鳥さんの個展開催は
'97年以来12年ぶりになります。`05年に三人展で近作の一部を紹介しましたが、
今回の個展では10年という一区切りの期間に制作された10号から30号の日本画
を中心に、「花鳥風月」および「仏教」の2シリーズ作品で構成した画業をご覧
いただける絶好の機会となります。

 妻鳥さんがこれまでに制作してきた作品には3つのシリーズがあります。一つ
は初期から制作している植物や風景などを描いた「花鳥風月」シリーズ。これは
師匠の画塾で下絵から本画までの様々な技法を学びその成果を発表する基本的な
モティーフです。もう一つは’80年代から制作している製造工場やクレーンなどを
描いた「工場」シリーズ。これは身近な生活環境の中で彼自身が興味を持ったモ
ティーフで、元々エンジニア出身の彼には「図面的な絵の構成、直線と直線の交
差する感じが好き(註1)」という下地があったようです。最後の一つは、'90年
代後半から始まった涅槃像や白像などを描いた「仏教」シリーズ。これは近年
「シルクロード同好会」で敦煌やその他の仏教美術を実地検分した経験に基づい
て描いているモティーフです。

 このような3つのシリーズが生まれた背景には毎年決まって開催される院展や
その他の展覧会の存在があったようです。しかし'90年代後半から始まった「仏
教」シリーズはこの在りようを徐々に変容させ始めているように見えます。恰も
これまで別々の場所でそれぞれ別々の方角に流れていたものが、「仏教」シリー
ズという太い本流に引き寄せられるように他の2つの支流が流れ込み始めている
ようです。「花鳥風月」シリーズについてのその例は本展覧会で見ていただくと
して、出品予定のない「工場」シリーズのなかで「阿形」('07)の作品を採り
上げてみましょう。
 「阿形」とは東大寺南大門「金剛力士像」の阿吽の像を指しているのは言うま
でもありませんが、画面の中では造船所か工場の現場に据え付けられた巨大な黒
褐色のクレーン操舵室とその下部l構造物、それらを強固に支える橋脚の全体が仁
王のシルエットに置き換えられています。下から見上げる角度で画面のほぼ中央
全面に据えられたクレーンの母体は、橋脚周りの遠方空間に小さなクレーンを配
置することでその大きさを強調し、空を単調な白い背景に置き換えて仁王像とク
レーンの母体との虚・実を両立させる画面構成は、妻鳥さんの目指している「い
い作品」の境地に十分到達していると言えるのではないでしょうか。

 ここで妻鳥さんが日頃目指している「いい作品」とはどのようなものか、テキ
ストをご寄稿いただきましたので以下に紹介致します。


   「芸術の方程式」・・・いい作品って何だろう? (文:妻鳥 健)

 手もとにある「いい絵を描く」ための雑記帳より、私が目指している「いい
作品とは」を、まとめてみました。解り易くするために、作品を立方体に例え
ます。その立方体の体積が大きいほどいい作品と私は思っています。
 立方体の縦軸に技術(質)をとります。技術は作者の思いを伝えるために大
いに必要です。私は常に技術の無さで大変苦労していますが、技術だけが前に
出てくる作品はそれだけで終わりのような気がします。
 では、技術のなさをどのような方法でカバーするか。基本的には後の項目に
関係しますが、発想がよければ自然と技術は付いてくると思います。一切の手
抜きせず、技術の限りを尽くした作品は、自らにじみ出てくる表現が備わって
いると思っています。
 次は横軸にアイディア(創造性)をとります。現代美術の作品によくみられ
る、「なんだ、これは?!」が必要とされます。いわゆる作者が表現物に対し
て、何かに気づきどのように心動かされ、どう世界を見たか。見方によって作
品が、文学的に、哲学的、音楽的、宗教的,詩的・・・・・世界になってくる
と思います。
 もう一辺は奥行き、精神性(思想の高み)。私は、この部分を一番大切に大
事にしたいと思っています、反面一番難しい事柄です。それは、作り手の人と
なりを如実に表わし、作者の人生観が出て魂の質量を量られます。それは作品
の品位などは意識して創られるものでは無いと言う事です。即ち、真摯に清ら
かな思いで、創られた作品は見る側に感動を与え、いい作品は、深く強いエネ
ルギーを放ち続けています。
 私は古美術の仏教美術、中でも、仏像、仏画が好きです、それらの作品には
制作した人の、卓越した技術と、深い信仰心が時を超えた美の強度と深度にな
って見飽きがしません。私も上手い作品より、いい作品が制作できるよう精進
し、プラス今(時間)が入った、「時空世界芸術」になれるように目指したい。
                                (以上)

 今回の展覧会では、1997年から現在までに制作された10号から30号までの日
本画20余点を中心に、小品の日本画も加えて30余点出品致します。妻鳥さんが、
ひたすら「いい作品」を制作したいと精進を続けてきたその姿勢と持続力が、今
回の13年間の画業の隅々まで浸透し、不思議な光となって立ち現れてきているよ
うに感じられるのではないでしょうか。是非その軌跡を辿っていただければ、作
家のみならず主催者にとっても望外の喜びです。
                                  敬具

 註:(1) 「晴れて院友 妻鳥 健さん」 1995年1月3日 山陽新聞

                            (文責:山下高志)

改正:2009-08-15「阿形」('07)のリンク、および註:(1)の追加

 

 


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