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塩崎淳子 プレスリリース(2009)



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「化現舞う」

■ 塩崎淳子(しおざき じゅんこ) 略歴

 1998 東京藝術大学大学院修了
 1999 銅版画をはじめる

【公募展】
 2000 「第1回チンタオ国際版画ビエンナーレ」(中国)
 2000 「カゲダスミニアチュール国際版画展」(スペイン)
 2001 「国際版画exlibrisトリエンナーレ」(ポーランド)
 2002 「国際版画トリエンナーレ ギャラント・エロティ
      ック(チェコ)
 2003 「国展」
      以降毎年入選(06 平塚運一賞受賞・07 版画部
      奨励賞受賞)
 2004 「台日書票交流展」
     「国際版画exlibris展」(ポーランド)
     「新孔版画協会展」(東京)
 2005 「国際小品版画ビエンナーレ」(ルーマニア)
 2006 「韓・日交流友好美術展」

【個展】
 2002 ギャラリーポルトデザール(東京)
 2003・2006・2009  あーとらんどギャラリー(香川)
 2007 ギャラリー愚怜(東京)
 
【グループ展】
 1999年〜 「銅夢版画展」 すどう美術館、銀座アート
       スペース(中央
        区銀座) 以降毎年出品
 2006・2007 「国展版画部受賞者記念展」地球堂
        ギャラリー(中央区銀座)
 2008 「銅版画の魅力展」 ギャラリータマミジアム
     (中央区銀座)
        
その他
 ・ギャラリーポルトデザール(中央区銀座)
 ・あーとらんどギャラリー(香川)
 ・目白オープンギャラリー(豊島区目白)
 ・十一月画廊(中央区銀座) など
現在
 ・国画会版画部準会員
 ・日本書票協会会員
                       以上

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          塩崎淳子
         
    会期/2009年 7月18日(土)〜 8月1日(土)
       11:00am〜7:00pm 休廊:7/22(水),29(水)
    会場/あーとらんど ギャラリー 
    出品/銅版画、ドローイング‥‥‥ 20 余点


 あーとらんど ギャラリーでは、塩崎淳子さんの版画を中心とした展覧会を
開催致します。塩崎さんは、横浜に生まれ、現在東京を拠点に活動されていま
す。

 エロスをテーマに作品制作を続けている塩崎さんの個展は、2003年および
2006年に続いて3度目。今回の展覧会では2007年から現在までに制作された
銅版画を中心としながらも、最近描き始めたアクリルや水彩絵具、および鉛筆
を用いたドローイングの展覧となります。

 塩崎さんの展開するエロスの表現には、「聖」と「俗」の二面性があります。
一つは、大学院時代に経験した仏画修復の仕事に遠因を辿ることのできる、仏
様という永遠の生命を司る「聖なるエロス」、もう一つは女性という人間の温
かな血の通う肉体を解剖しながら、その在処と本質を模索している「俗なるエ
ロス」。この二つのエロスはお互いに一つの肉体の中で激しく対立しながらも、
社会という生命現象の一場面では否応無く表裏一体の存在に収束されていきま
す。そこでは既に「聖」と「俗」に分化する以前の混沌とした在りように還元
せざるを得ない人間の苦悩と不安が渦巻いています。

 その表現が見事に結晶した銅版画「化現舞う」という作品、裸の女の肉体が
舞うその股間に、お能の装束を纏ったもう一人の女が描かれています。その女
の股間から湧き出る「聖」を象徴する菊の花、その花と共に化現する「俗」を
象徴する蝶。能装束の女の静的舞は「聖」なるエロス、裸体の動的舞は「俗」
なるエロス。画面左下部の見えない「聖」の世界から画面右上部の見えない
「俗」の世界へと誘導する斜めの構図が、エロスの表裏一体、未分化の在りよ
うを暗示しています。女の股間という「俗」としての究極のエロスを画面の焦
点に据えて、「聖」と「俗」のエロスの本質に迫るこの作品の見事な構成とそ
の表現には、塩崎さんのこれまでの全てが注ぎ込まれていると言っても過言で
はないでしょう。

 このような塩崎さんの最近の作品制作について、テキストをご寄稿いただき
ましたので以下に紹介致します。

       「個展開催にあたって」  (文:塩崎淳子)

  銅版画をはじめてから10年ほど、このストイックな技法は自分の嗜好
 にあい、続けてまいりましたが、最近はアクリル画や水彩など色彩を入れ
 た絵も描くようになりました。
  しかし描きたい題材については技法による隔たりはありません。
 仏画や人物、エロス、花など。やや様式的なものに対する好みには、もっ
 とそれを追求するべきだ、あるいは逆に観念的な題材は実感に乏しい、な
 ど様々な感想をいただきます。どちらも興味深いことです。
  自然を五感で体感した経験は少なく、かといって現在ほどバーチャルな
 情報に支配されてもいなかった世代を過ごした私にとって、様式的な絵を
 手描きすることはあいまいな経験のなかにも、自分の嗜好やあこがれる美
 の形を再確認しようとする作業なのかもしれません。
  そしてこれらの地味な作業が、混沌とした世相のなかで、自分の精神を
 何とか支えてくれていることに改めて驚く日々を過ごしています。
                              (以上)

 今回の展覧会では、塩崎さん銅版画とドローイングを20余点出品致します。
人間の生の根源に横たわるエロスの様相を塩崎さんの眼を通して感じていただ
く事が出来る展覧会になっています。是非お楽しみいただきますようご案内
申し上げます。
                                敬具

                          (文責:山下高志)

 



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