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企画展 >眞板雅文展
眞板雅文
プレスリリース(2007年)


「萌・いろどり」
布、和紙、糸、リキテックス、ワイヤー、石
H21×W45×D16cm 2006


眞板雅文 MAITA Masafumi  略歴
1944年、中国東北部(旧満州・奉天)生まれ。1966年の個展 開催以降、公募展への出品、国内外の美術館、ギャラリーなどで作品展を続ける。この間の1971〜73年、シェルター・ロック財団奨学金でフランスに滞在。1985年以降、同国文化省の招きによりガストン・バシュラール生誕百年祭のパッサージュ現代アートセンターで個展、ランス美術学校でパフォーマンスによるビデオ作品、ロアール地方国際アトリエ展のための作品、伊サンタ・バーバラ美術館招請による鉄の彫刻などを制作、ヘルシンキ・テーレ湾プロジェクトの竹の作品も手がけた。2005年には第22回全国都市緑化ふくおかフェア・アイランド花どんたく芸術の道に竹の作品を制作。国内外の公共施設でのインス タレーション、モニュメントの設置も多い。神奈川 県二宮町、長野県富士見町のアトリエで 制作を続ける。以上
 
眞板雅文展

   会期/2007年4月1日(日)〜22日(日)
      11:00am〜7:00pm 休廊:4/4(水),11(水),18(水)
   会場/あーとらんど ギャラリー 1Fギャラリー
   出品/彫刻作品 ‥‥‥ 約 25 点

 あーとらんど ギャラリーでは、眞板雅文さんの彫刻の展覧会を開催します。
彼は1944年に中国東北部に生まれ、現在東京を拠点に活動しています。

 眞板さんは、66年東京での初個展から今日まで各種の公募展、並びに国内外の美術館や画廊で多様な作品を発表してきました。その活動の中で、71年第6回国際青年美術家展で初の大賞を受賞、その後も国内の主だった野外展での受賞を重ね、76年および86年には2度にわたってヴェネチア・ビエンナーレ(伊ベニス)に招待されるなど、彫刻家としての実績を重ねてきています。

 眞板さんの作品にはいくつかの変遷があります。70年代の写真を用いたシリーズ作品(インスタレーション)から、80年代に入ると木、ロープ、紐、糸、布などを用いた立体造形作品、80年後半からは鉄、石などを用いた野外彫刻が主流を締めるようになり、90年代に入ると水、鉄、石などを用いた環境造形が加わって今日に至っています。このような眞板さんの作品の底流には、大きな意味で「自然との共生」というテーマが流れているように感じられます。作品に用いられている木、ロープ、紐、糸、布、水、鉄、石、竹などの素材は、制作者の手を通して「自然」や「環境」と深い次元で強く結びつくことによってそれらと共生し、その結果として新たに出現した「自然」や「環境」の構成要素として生まれ変わっていく‥‥‥‥そこに浮かび上がってくるものが眞板さ
んの作品だと言えるでしょう。

 眞板さんの制作に於いて重要な出発点となるのは生活環境としての日常の風景です。制作にはこの自然との触れ合いが重要で、従って生活環境が変わると作品も変わるという、自然と不可分な作品の有り様が伺えます。このことに気付いたのは、第6回国際青年美術家展で初の大賞を受賞して得られた奨学金で71〜73年にフランスに滞在した時だそうで、そのときの様子を次のように話されています。
 「(*1)一年ぐらい、静かな病床の生活を送った。自分が60年代から70年 にかけてつくったいろいろなアートのことを、静かな環境の中で考えだし た。そういうふうにして、自己の内部に帰ったときに、自分の日常性みた いなところから物を考えてみることを発見したんです。アートの上から考えるのではなく。」
 日常の風景から出発するという自らの原点に気付いた眞板さんにとって、作品の素材は自ずから日常からかけ離れたものに向かないのは当然かもしれません。木、ロープ、紐、糸、布、水、鉄、石、竹などの素材は彼が日常の生活環境で出会い、感応し、浄化され、それが素材であるにも拘らずあたかも作品の様相を帯びてくるまで昇華され作品としての不可分な位置を占めてしまうまで、眞板さんの生活環境の中で生き続けます。そして日常接する自然の風景との触れ合いの中で、突如ある瞬間にその素材が変容するという劇的な瞬間を迎えることによって、作品としてもう一度再生される、このような過程を眞板さんは次のように語っています。
 「(*1)素材が、すぐ作品に結びつくかどうか以前に、その素材で遊ぶというか、自分なりの行動をしている間に、興味のあるものに出会っていくという感じがありますね。それを、丹沢のアトリエにほっぽり投げとく。いつかは、それが作品の材料になる場合もあるし、全くならない場合もある。
 僕なりの生活をしている中に、ものとして残っていくというか。」(出典(*1):「みなとみらい21彫刻展ヨコハマ・ビエンナーレ`86」
眞板雅文インタビュー記事「日常・風景・素材」 )

 今回の展覧会では、布、和紙、糸、リキテックス、ワイヤー、石などを使って制作された彫刻を約25点出品致します。樹々、風、土などをイメージさせる自然の風景彫刻とでも呼んでもいいような作品です。是非多くの方に眞板さんの自然に触れてその感触を楽しんでいただきますようご案内申し上げます。
                              敬具

                       (文責:山下高志)


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