北川健次
銅版画集『黄金律ーNANTESに降る七月の雨』
モノクローム雁皮刷り全7点 タトゥ入り
銅版画 37.5×28.8cm 2006
日本語版 Ed.48 仏語版 Ed.42
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北川健次 展
会期/2006年 2月25日(土)〜3月19日(日)
11:00am〜8:00pm(土・日6:00pm)
休廊:2/28(火),3/1(水),8(水),14(火),15(水)
会場/あーとらんど ギャラリー
出品/銅版画・コラージュ・オブジェ‥‥ 約20点
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あーとらんど ギャラリーでは、北川健次さんの銅版画、コラージュおよびオブジェの展覧会を開催致します。北川さんは、福井県に生まれ、現在東京を拠点に活動しています。
今回の個展は、版画集『黄金律ーNANTESに降る七月の雨』(銅版画7点)の刊行を記念して開かれます。この版画集の刊行に関して北川さん自身の書かれた文章を以下に紹介します。
「距離の詩学」
(文章:北川健次)
奇書、「ポムレー路地」は、マンディアルグの著者で、1988年 に「奢 都館」という出版会社より生田耕作訳で刊行されたもので す。内容の幻想的奇譚も興味ありますが、その本の冒頭に入っていた「ポムレー路地」の古写真と、その画面下に写っている少年の声なきアニマに引かれて昨年はるばるナントへと赴きました。ナントは、アンドレ・ブルトンが「ナジヤ」の中で、パリ以外に何か不思議な物語が発生する気分を立たせてくれる唯一の場所と記していますが、それはズバリ、「ポムレー路地」が、ナントにあり、それを彼は実見したことに拠ります。
その路地の入口に写っている100年以上前の少年が、勿論そこに 今いる筈はありませんが、その不在・非在という自明の事を現場を訪れて確認する事によって、私の中の「距離の詩学」とでもいうべきイメージの立ち上がり———つまりは版画へのイメージの刻印を計って、或は予感して彼の地へと訪れたわけです。
(以上)
今回の展覧会では、版画集『黄金律ーNANTESに降る七月の雨』に収蔵されている銅版画7点に、版画集制作の背景となった「彫刻廻廊ーポムレの路地」を2005年初夏に北川さんが訪れて撮影された写真10点を添え、他に若干のコラージュおよびオブジェを加えて約20点出品いたします。
謎を醸す「距離の詩学」を是非お楽しみいただきますようご案内申し上げます。
敬具
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