島田節子 『ニワーホシノフルトコロ』
リトグラフ 31×25cm 2005 Ed.8
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2005様々な邂逅展 - Part2
(岩切裕子+島田節子+安藤真司)
会期/2005年9月3日(土)〜 9月25日(日)
11:00am〜8:00pm(土・日6:00pm) 休廊:9/7(水),13(火),14(水),21(水)
会場/あーとらんど ギャラリー
出品/版画 ‥‥‥ 約30点
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あーとらんど ギャラリーでは、2005様々な邂逅展のPart 2 として、3人の版画家による展覧会を開催いたします。岩切裕子、島田節子、および安藤真司さんそれぞれが自らの制作スタイルに立脚した、木版画、リトグラフ、および銅版画の作品を紹介致します。
岩切裕子さんは、1961年に東京に生まれ、現在東京を拠点に活動しています。岩崎さんは大学院で木版画を専攻し、卒業後は版画協会に所属しながら個展を中心に制作を展開してきました。彼女の一貫したテーマは「風」「月」など天体や自然現象、「音」あるいは「音楽」など。これらの目に見えるテーマと目に見えないテーマは、彼女の作品の中で同じ比重をもったモチーフとして、現実にありそうなものや想像上の形に姿を変えます。このような仕方によって「静謐な世界を自分のかたちにしていきたい。」という彼女の想いは、木版の水性インク2種類と油性インク3種類、さらには日本画用絵の具/顔料を使用し、3種類のばれんを使い分けた手摺りの木版画という手段によって、初めて現実の作品としての姿を表してくるようです。
島田節子さんは1947年に宮崎県に生まれ、現在東京を拠点に活動しています。島田さんは美大で油彩画を専攻し、卒業後は版画協会に所属しながら版画やドローイングによる個展を中心に制作を展開してきました。島田さんのテーマは「記憶」、彼女自身の言葉を借用すると「何かよよく分らないその時々の私の分身のようなモノ(注1)」を形にすることと言えるでしょう。彼女は自分の作品制作について次のように語っています。「版画にする前に何度もスケッチを重ねます。それは準備運動のようなものです。‥‥‥ある一瞬に、視界、意識の中に強烈に立ち現れるモノを捕らえて表現へ繋げて行く。‥‥「記憶」の海よりのメッセージを表わしていきたい。(注2)」と。
(注1,2)出典:版画年鑑2001 阿部出版
安藤真司さんは1960年に岐阜県で生まれ、現在東京を拠点に活動しています。安藤さんは芸大大学院卒業後、版画協会に所属しながら個展を中心ににして活動し、国内外の公募展にも積極的に参加してきました。 安藤さんの作品には初期から一貫して生物、特に植物がモチーフにとりあげられています。「雨あがりの薄暗い、もやがかかった川縁りの草むらや、夜の森のほのあかるい雰囲気が子供のころから好きなんです(注1)」という彼の原風景は、「森」という人智の及ばない生死を司る自然と、人工的に耕され生命への実りを産み出す自然が融合している場所としての存在です。彼にはそこで繰り返される生命の営みの象徴である「植物」を通して生きていることの意味、それは同時に「‥‥花が自然と枯れていく、その瞬間を捉えたい(注2)」という彼自身の言葉で象徴されている死の意味を問うという、安藤さんの制作活動の源泉が見えてくるようです。
(注1,2)出典:版画芸術84 阿部出版
今回の展覧会では3人3様の考え方による版画作品約30点で仕事を概観します。是非ごお楽しみいただきますようご案内申し上げます。
敬具
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