岡本裕子 『なかよし?』
銅版画 15×20cm 2004 Ed.50
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2005様々な邂逅展 - Part1
(宝珠光寿+岡本裕子+太田真理子)
会期/2005年7月2日(土)〜 7月24日(日)
11:00am〜8:00pm(土・日6:00pm)
休廊:7/6(水),12(火),13(水),20(水)
会場/あーとらんど ギャラリー
出品/版画 ‥‥‥ 約30点
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あーとらんど ギャラリーでは、2005様々な邂逅展のPart 1 として、3人の版画家による展覧会を開催いたします。宝珠光寿、岡本裕子、太田真理子さんのそれぞれ個性の違う作品を紹介致します。
様々な邂逅展は、これまで個展を開催した作家のコレクションを中心に、物故作家などのすぐれた作品のコレクションを加えて構成してきました。しかし本年度より、多様化するニーズに少しでも対応できるように、様々な特徴のある作家・作品をもう一つの柱とすることにしました。これまでに無い新鮮な感覚の展覧会を展開したいと考えています。
この度の邂逅展で出品いただく宝珠光寿さんは、1966年に大分県に生まれ、現在東京を拠点に活動しています。美大ではグラフィックデザインを学び卒業後はデザイナーとして出発しましたが、次第に作家指向が強くなって木版画を始め、30代になると銅版画を主体とした作品制作に重きを置くよう
になりました。
宝珠さんの表現の中心には、様々な不安を抱えながら生きている人間の心底にある滑稽さのようなもの、例えば真面目になればなる程可笑しさが湧いてくるような感覚、この相矛盾するようなあわいの妙を多面的に描き出したいという気持が有るようです。
岡本裕子さんは東京で生まれ、現在パリと東京を拠点として活動しています。美大卒業後造形学校で版画を学び、当初はリトグラフで板塀やセーターなどをモチーフにして制作していました。その後銅版画を手がけるようになって主要なモチーフは椅子に変化し、2001年には制作の環境を変えるためにパリに渡り、様々な模索の山を乗り越えて現在は植物のモチーフに移っています。
岡本さんには「連続する形や行為」を表現するというという一貫した明確な方法論があります。人間としての生き方を日々の生活の繰り返しの中に見出そうとする彼女にとって、植物のモチーフではこれまでの線描(曲線を多様)から点描が主体となった表現方法に移ることにより、新たな境地を開拓しているようです。
太田真理子さんは東京で生まれ、現在東京を拠点に活動しています。美大卒業後平面版画を制作していましたが、98年頃から、版画を立体に貼った作品を手がけ始め、2003年頃からは版画やドローイングなどの平面作品と立体作品とを分けて制作するようになりました。2003年から1年間のカナダにおける美術家研修の期間中は立体作品を中心に制作し、帰国後は平面作品に制作の重心を移しています。
太田さんは早い時期から人物表現に興味を持っていた関係で、「人間とは何か」を身体の形を通して表現しようと考え、版画を立体に貼り付けるという身体の模倣から始めました。その後版画と立体とのより必然的な関係を模索するようになり、その結果として平面作品と立体作品とを分けて制作するように変化してきているようです。
今回の展覧会では3人3様の考え方による版画作品約30点で仕事を概観します。是非ごお楽しみいただきますようご案内申し上げます。
敬具
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