北川健次 「版画集」
・サン・ミケーレの計測される翼
(5点組) 2001
・ローマにおける僅か七ミリの受難
(6点組) 2003
・反対称/鏡/蝶番 夢の通路
-VERO DODATを通り抜ける試み
(8点組) 2004
■ 略歴
1952年福井県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科終了。駒井哲郎に銅版画を学び、池田満寿夫の推挽を得て作家活動を開始。’75年、現代日本美術展ブリヂストン美術館賞受賞。’76年、東京国際版画ビエンナーレ展(東京国立近代美術館)、’81年、リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展招待出品。’89より「箱」を主題に立体表現も展開、’90年、文化庁派遣芸術家在外研修員として渡欧。銅版画とオブジェの分野における第一人者的存在。版画、油彩画、オブジェの他に写真、詩、評論も手がける。鋭い詩的感性と卓越した意匠性を駆使した作品は美術の分野において独自の位置を占めている。
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北川健次展
会期/2005年3月5日(土)〜3月27日(日)
午前11時〜午後8時 (土・日午後6時)
休廊:8(火),9(水),13(日),16(火),22(火),23(水)
会場/あーとらんど ギャラリー
出品/銅版画‥‥約30点、オブジェ‥‥約3点
あーとらんど ギャラリーでは、北川健次さんの初めての展覧会
を開催いたします。北川さんは福井県で生まれ、駒井哲郎に銅版画
を学び、池田満寿夫の推挽を得て作家活動を開始し、その後多様な
展開を獅ンながら現在東京を拠点に活動しています。
北川さんは昨年12月「モナ・リザ」ミステリー名画の謎を追う
(新潮社)というタイトルで、「ダ・ヴィンチ」「フェルメール」
「ピカソ・ダリ・デュシャン」の創造の秘密に迫る本を出版され、
今や出版界においても時の人となりつつあります。イメージから銅
版画やオブジェなどを紡ぐアートの世界からイメージから物語を紡
ぐ言葉の世界へとかろやかに飛翔する北川さんには、メディアの形
態如何にかかわらず機能する観念の地層が幾重にも包蔵されている
ようです。「謎は、既知の中にこそ培養されている。」という彼自
身の言葉の一端に、その存在の有り様を窺い知れるかもしれません。
今回の展覧会では2001年から2004年にかけて制作された3編の
銅版画集「サン・ミケーレの計測される翼(2001)」、「ローマ
における僅か七ミリの受難(2003)」、「反対称/鏡/蝶番 夢の
通路-VERO DODATを通り抜ける試み(2004)」を中心に、それ
以前に制作された銅版画7点とオブジェ3点を加えて、北川さんの
大まかな全体像を展覧いたします。メインとなる銅版画3編は「イ
メージを皮膚化する試み」として取り組んできた集大成の作品集で
す。
北川さんの銅版画集3編のテーマとなっている「イメージを皮膚
化する試み」の意味するところについて、北川さんの言葉の断片を
拾ってみます。
「‥‥‥‥版画という平面を『イメージの仮の皮膚』として
捕らえるようになり、それは2001年から昨年(2004年)ま
でに作られた版画集3部作の統 一テーマ「イメージを皮膚
化する試み」として多面性を持った形で、そして 初期より
も意識的な「暗示性」をもって作品化されるようになってい
ったよう思われる。版画1点が1点としてのイメージの自立
性を持ちながら、版画集における他の作品ともリンクする、
そういうスリリングな構造にこの数年 来、私は大いにのめ
りこんでいったのである。」
展覧会初日に『日本銅版画史』〜 この50年の歩みと解釈 〜と
題して企画展講座を開催しますので、多数の皆様のご参加をお待ち
しております。
■企画展講座 参加者募集!
『日本銅版画史』
〜 この50年の歩みと解釈 〜
駒井哲郎、池田満寿夫、加納光於、他、近年の銅版画
作家の人となりと作品解釈についてお話していただき
ます。お話の後は質問などの交流の時間を持ちます。
・ 日 時 : 3月5日(土)18:30〜
・ 講 師 : 北川健次
・ 会 場 : あーとらんど ギャラリー
・ 参加費用 : 300円(コーヒー付)
以上
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