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企画展 > 中川幸夫展
中川幸夫
プレスリリース(2004年)
 



中川幸夫 「花」
和紙に墨 101.5×71.5cm 2004



略歴
1918 香川県丸亀市生まれ
流派を持たないいけ花の、戦後が生んだただ一人の前衛作家として国内はもとより国際的にも評価が高く、近年、写真作家としての評価も確立した。書、ガラス、文にも独特の才能を発揮している。

受賞歴
1978 「世界で最も美しい本の国際コンク

    ール」入賞 ライプチヒ
1999  「織部賞グランプリ」受賞 岐阜県
    「丸亀市文化功労者」表彰
2004 「第11回日本現代芸術振興賞」受賞
    財団法人 日本文化藝術財団
       第20回東川賞国内作家賞」受賞

■ 作品収蔵
カルティエ現代美術館、神奈川県立近代美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
 
■ 著 書
『中川幸夫作品集』(中川幸夫 私家版1955)
『華 中川幸夫作品集』(中川幸夫 
            求龍堂1977)
『ばけるほのお』(中川幸夫・三輪和彦 
           彩陶庵1989)
『中川幸夫の花』(中川幸夫 求龍堂

              1989)
『花のおそれ』(中川幸夫・村上直之 
         誠文堂新光社1992)
『はながらす』(中川幸夫 ギャラリー

            無有 1993)
『魔の山 中川幸夫作品集』(中川幸夫 
            求龍堂2003)
        中川幸夫展

会期/2004年 10月2日(土)〜10月24日(日)
午前11時〜午後8時 (土・日午後6時) 水曜と第2+4火曜休廊
会場/あーとらんど ギャラリー 
出品/写真・書・ガラス‥‥50余点

 あーとらんど ギャラリーでは、いけばな作家「中川幸夫」氏の展覧会を開催いたします。郷里丸亀では1949年以来の個展です。世界的に著名な氏の制作活動については広く知られるところとなっていますが、この度の個展に先立って改めて氏の足跡を簡単に紹介させていただきます。
 「焼け跡のひまわりのように、戦後いけ花界は生き生きとよみがえった。その頂点に立った男、勅使河原蒼風と極北に位置した異才、中川幸夫」というのが作家早坂暁の実名小説、いけ花戦国史「華日記」の冒頭である。
 いけ花の名手として花ばさみを手にしたまま往生した中川の祖父、隅鷹三郎と、同じ池坊師範の叔母がいながら、1918年生まれの中川がいけ花を始めたのは、大阪の石版画工房の勤めで病を得て帰郷した、戦時中だった。
 池坊の後藤春庭と立華を論じ、造園家、重森三玲の家元否定のいけ花革新集団「白東社」に加わり、土門拳、水沢澄夫、蒼風に出会った丸亀時代の15年間の結果として、1955年「中川幸夫作品集」が自費出版された。
 蒼風も1952年に「IKEBANA by Sofu Teshigawara」を自費出版し、この2つの本は意外なほど近似している。
 横山正東大教授は、「家元としてではなく、作家蒼風のと、中川幸夫の出発点が近かったということだろう。いずれも作品として見事に自律している。」と語った。
 1951年に決定的に自由であるために、池坊に脱退声明を送っていたから、流派を持たないいけ花の戦後が生んだ、ただ一人の前衛に転じた。
 流派を拒否したいけ花作家は、コンサートをやめたピアニストと同じで、発表の場を持たない。中川は雑誌、テレビ、個展と着実に発表の場を広げてゆく。
 1977年に求龍堂より出版された中川幸夫作品集「華」は、ドイツライプチッヒの「世界でもっとも美しい本」に選ばれた。
 以後1989年「中川幸夫の花」(求龍堂)、2002年中川幸夫作品集「魔の山」(求龍堂)と作品集を出す。
 「魔の山」は「第20回東川賞国内作家賞を受賞」。その他にも1999年「織部賞グランプリ」受賞。
 2004年財団法人日本文化芸術財団より「第11回日本現代芸術振興賞」受賞と続く。
 書も能筆で、個展雑誌などで発表され、愛好者が多い。
 又、ガラス作家淡島雅吉氏の指導でガラス花器作りを始め、1993年「はながらす」を出版する。
 今回出品の作品写真は、第20回東川賞国内作家賞を受賞した中川幸夫作品集「魔の山」より選別したオリジナルプリントである。
 今年2月東京でおこなわれた選考会での講評は次の通りである。

「今回の東川賞国内作家賞は、大方の驚きを持って受け止められるであろう。それは受賞者が通常の概念では写真家という立場で認識されることがまず皆無だからである。その受賞者とは世界的に著名な日本が誇るいけばな作家の中川幸夫氏である。
 中川氏の受賞対象となった作品とは、2002年刊行の自選作品集『魔の山』(求龍堂刊)である。同作品集に所蔵の生け花作品が全て中川幸夫氏自身の作品であることは当然だが、その作品撮影のほとんどが作家自らの手によるものなのである。じつは中川幸夫氏は土門拳の助手を務めていた時代もあり、写真撮影の技術的な面に関して完璧な技量を持っており、つとに自作は自ら写真撮影されていた。そしてその撮影こそが氏の創造活動の一つの帰結点ともなっている。審査員のひとり杉浦康平氏によると、『生け花の概念を自分の写真で180度ひっくり返している』と評されるほど、積極的に自らに介入する写真行為を実践しているアーティストなのである。審査員の討議の論点は、自らの写真しか撮らないといった点などにも及んだが、自らが状況を創り出し、その自らを撮影する、たとえば森村泰昌(第18回東川賞国内作家賞受賞者)らとも共通する制作姿勢と考え得ること、撮影ジャンルの特定が写真の創造性を制限するものではないことなど、写真賞を中川氏に贈ることに違和感がないことを確認し、受賞を決定した。写真という手段のクリエイティヴな可能性を再認識させられる審査結果だったといえるであろう。」

 今回の展覧会では、前述のオリジナルプリントとしての写真作品を中心として、最近作の書とガラスを加えて50余点出品いたします。是非ご高覧頂きますようご案内申し上げます。
                             以上



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