平面と立体とその融合に、自由度・面白さ・可能性を感じている。表現方法は限定しないと決めているが、「陶」は私の核を意識させる特別な素材だ。私の制作は自己の救済だという気付きがあり、個人的一方的で、どこまでも自己満足でしかないものでありたいと考える。しかし、それが他の誰かにとっての何かになる可能性と共鳴を、どこかで夢見ているのかもしれない。決断して行動した後に理由がやってくることがよくある。もちろん当初の決断理由も存在するが、探し物が見つかったような理由が後から落ちてきたりする。まだどこか私も分からない何かを含むモノは、続けることでしか答えを教えてはくれない。
ピンクピンク(No.4)/桜の花が散り、それが幾重にも重なってアスファルトを染める。雨が降り、朽ち、踏み固められ、花々が茶色く染まってゆく様は、花々が見上げた空色を吸っているみたいだ。桜の花は本来とても白色に近いが、桜の季節の世はむせ返るようにピンクで溢れ、私の心もどこかピンクなのだ。絵画の色を重ねる行為のような、一日一日の集積形への意識から、色の粒の仕事は始まった。以前は支持体に木材を使用し、その上に陶を展開していたが、それはある種モザイク画を連想させてしまっていた。よりシンプルに陶のみで展開することが今回の試みだ。
心情(No.2)/じっとりと心に棲まって、本当に嫌だ。沸々と怒りと悲しみを感じる。忘れたい、一刻も早く消し去ってしまいたい。ごちゃごちゃにして、何が何だかわからない塊にする様を想像する。それはまさに、色んな部位をごちゃっと混ぜて挽いたミンチ肉のような感じであり、それをゴミ集積所みたいに収まりがいいように立方体に固めておくのだ。
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