2017年7月15日(土)〜8月6日(日)
10:00am〜6:30pm
火曜(予約営業)、休廊:水曜
出 品:
‥‥約20点
<オープニング 茶話会> 本茶話会は終了。有り難うございました。
「 ここは何処? 私は誰?」 梶浦徳雄
日 時:7月16日(日) 11時〜12時30分
会 場:あーとらんどギャラリー
参加費:無 料
日本の芸大を卒業後、国立ウイーン美術学校彫刻科で1年間学び、一時帰国。
その4年後再びウイーンに戻り「間」をテーマに作家活動を続けて現在に至る
軌跡をお伺いします。
・何故、ウイーンで作家活動を始めたのか?
・どうのようにして、当地の画廊、美術館、行政機関との関係を作って行ったのか?
・永年、ウイーン中心の活動を持続可能にした理由は何か?
3つの糸口に沿って作家としての生き方、その道程、リアルな体験を、お茶を
いただきながら梶浦さんと会話を交えて、お楽しみ下さい。
皆様のご参加をお待ちしております。
上記は「茶話会の案内画像」に掲載しています。
<茶話会の一断面>
茶話会の取っ掛かりは、梶浦さんが何故、ウイーンで作家活動を始めたのか、独特の間合
いを取りながらのお話に参加者が引き込まれていきました。
梶浦さんが通っていた芸大には、たまたまドイツ語圏からきた留学生の友人いて、彼が
国立ウイーン美術学校の教授と知り合いだったので、紹介してもらって連絡を取ると、
「いつでも来なさい」との気さくな返事をもらい、それではと出掛けたのがそもそもの始
まり・・・だとか。
その美術学校で彫刻を学ぶ1年の間に、ギャラリーや美術館等を巡り、交流を重ねた
様々な人々・・・そのウイーンの人々が実直なゲルマン人との混血で、良い意味でのいい
加減さがあり、日本人の曖昧さと波長が合うような、自分を素直に出せる感触を得て、
その4年後再びウイーンに戻ることになります。
こうして話は佳境に入り聞き入って気がつくと50分程、休憩後に個展や作品のスライド
を使いながらの詳細なお話で、あっという間に1時間半が過ぎてしまいました。
総じて、梶浦さんの「人とのつながり」が基底となったアーティストの活動は、テーマ
として採用している「間」の本来の意味を離れつつそのイメージが拡張していく「ma」を
使っているとお聞きして、成る程、それが永年ウイーン中心の活動を持続可能にしたのだ
と頷きました。
文責:山下高志
<出品作家のリーフレッット>
以下からご覧下さい。
■ リーフレットの表面
■ リーフレットの中面
<出品作品と展示風景>
■ 展示風景 「こちら」からご覧下さい。
■ 出品作品 「こちら」からご覧下さい。
作品価格は、TEL 0877-24-0927、または、
E-mail : sales@artland-gallery.jpでお問い
合わせ下さい。
個展に寄せて
梶浦徳雄
「存在」というある種漠然とした事柄について知りたい、感じたいということが私の制作の基盤になっています。「ここは何処?」「私は誰?」といった素朴な疑問です。それらの理解や感覚が広がり、深まるにつれ私自身についてもより実感できているように思います。
「存在」について思考する上での重要な要素として「ma」を取り上げています。「ma」は日本の伝統的な概念「間」から派生した表記であり私にとってはいろいろな事物の関係性を意味します。「個」の特性、独自性は固定されたものではなく自身及び他の要素との関係性により確立されると考えています。様々な状況との関係により様々に変容します。
常に直進する光が重力により歪曲する、一定のリズムを刻む時間が速度との関係でそのリズムを変化させる等。また影響を与えた側にも何らかの変容が生じる。「個」が「個」でありながらその姿、内容、要素がそれぞれの関係性により異なっていくのは興味深いことです。
制作の過程で交わされるコミュニケーションにより互いに変容し成長や後退を繰り返す。そして生まれてくる何かに互いの「存在」を感じ取ることができる。つまり「ma」とは「存在」の内容を形作る構造と考えています。
私の表現の様式は決して固定されるものではなく、制作過程や思考の推移等により必然的に様々な姿になります。予感や予測そして必要、可能、不可能等いろいろな要素の中で生まれてきます。それらに如何に真摯に向き合えるか。
展示も制作の一環です。空間の状況や素材、またそれらに関わる人々等全ての関係により成り立ち、そこに何らかの新たな関係が作られる。作品を展示する事はその可能性や楽しさを与えてくれます。
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