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2012年11月3日(土)〜18日(日)
10:00am〜6:30pm
休 廊:水曜
※今会期中、火曜は営業致します。
出 品:油彩‥‥約30点
作家在廊日:3日〜15日
<オープニングパーティー>
個展当日の午後4:00から内覧会を開催致します。また、午後6:00からは作家を囲んで、オープニングパーティを開催します。お忙しいとは存じますが、お気軽にご出席賜わりますようご案内申し上げます。
■ 日 時 : 11月3日(土)
午後4:00〜 内覧会
午後6:00〜 オープニングパーティ
■ 参加費 無料
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<美術家の文章>
「廂間(ひあわい)ll」 関正和
「廂間」これは、昨年(2011年)の丸亀、あーとらんどギャラリーでの作品展の案内状に使った30号Fの油彩作品の題名です。
あまり聞き馴れない言葉なので、「廂間」とはなんだとよく質問を受けました。
辞書をひくと、ひあわい【廂<<間】ひさしとひさしの間の意、家と家との間の狭い所。とあります。
一年に一度、故郷丸亀で展覧会を開くために30年近く帰っています。帰る度に、一年一年商店街はさびれて街は淋しく人影が少なくなっています。子供の時に歩いていた時は家や商店の表側しか見えなかったのが、それが取り壊されたり、駐車場になったりしているのを見ると胸がつぶれる思いです。これを、単に時代が変わったからなどといって済まされない、なにか大切なものを失っていくように私には思えてならないのです。表側の建物が消えていったために、子供の頃には見ることができなかった裏の蔵などが目にふれてきます。この土蔵や蔵も修復されることもなく、これも消えていこうとしています。
その建物と建物の間の一人一人がやっと通れる道とはいえないような細い路地を歩いていて、ふと、このテーマ、「廂間」を思いついたわけです。この蔵の奥で商売をするために路地が暗いのでクリスマスツリーに飾るような豆電球を敷いてあるのを見て思わず笑みがこぼれました。
実際には現場は暗いところですが、作品では逆に明るくして両側の蔵も解体した造形にしました。これが昨年の「廂間」です。
この作品を描こうとした動機は、いつものように単に対象に興味を覚え始めたので、そう深い意味を持ってはいませんでした。この「廂間」のテーマがふくらんできたのは昨年、丸亀展を終えて帰ってきてからです。それは、あの世界一だといわれるニューヨークの摩天楼の夜景をテレビで見たときハッと気づきました。これも、「廂間」だと。華やかなイルミネーションに彩られた夢のような映像、カメラのアングルがぐっと廻り始めると、そそりたつビルの間の道にはおびただしいクルマのライトやそこにうごめくケシ粒のような人間、そうだ、人間は田舎であろうと洗練されて大都会であろうとみんな廂間で生きているのだと。こうして、このテーマの意味が広がったので、次は、都会の「廂間」を描いてみようと思い立ちました。
土臭い、しかしなにかあたたかみのある田舎の「廂間」、ただ、機能だけを追った大都会のそっけない「廂間」、この二作が “対”にならないものかと密かに思って、今年、(2012年)丸亀展の案内状の作品を、同じく30号Fの油彩、(大都会の「廂間」)をテーマにした「廂間」(ひあわい)ll、としました。
考えてみれば、全人類は地球の「廂間」で生きているんですね。同じ「廂間」でも田舎の方が、なにかあたたかみがあって私は好きです。 以上
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